「業務改善をしたいけれど、何を改善すればいいのか分からない」
中小企業の経営者から、このような相談を受けることがあります。
業務改善というと、新しいシステムの導入やDX、生成AIなどを思い浮かべるかもしれません。しかし、本当に重要なのはツールを選ぶことではありません。
最初に必要なのは、改善すべき仕事を見つけることです。
業務改善のアイデアは日常業務の中にある
会社には、長年続けているうちに「当たり前」になっている仕事が数多くあります。
紙への記入、Excelへの転記、何度も行われる確認、定例会議、メールによる情報共有などです。
一つひとつは小さな作業でも、毎日繰り返されれば大きな時間になります。
そのため業務改善では、特別なアイデアを考えるより、現在の仕事を丁寧に観察することが重要です。
業務改善のアイデアを見つける7つの方法
1.同じ内容を何度も入力している仕事を探す
紙に書いた内容をExcelに入力し、さらに別のシステムへ入力している。このような「転記」は代表的な改善対象です。
2.待ち時間が発生している仕事を見る
上司の承認待ち、他部署からの回答待ち、資料待ちなど、「作業していない時間」も業務改善の重要な対象です。
3.同じ質問が繰り返されていないか確認する
「この資料はどこですか」「この場合どう処理しますか」という質問が頻繁に出るなら、情報共有やマニュアルに問題がある可能性があります。
4.特定の人しかできない仕事を探す
「あの人が休むと仕事が止まる」という状態は、属人化のサインです。標準化やマニュアル化を検討する必要があります。
5.ミスや手戻りが多い仕事を見る
入力ミス、確認漏れ、作り直しが多い業務には、個人の注意力ではなく仕組みに問題がある場合があります。
6.社員が「面倒」と感じている仕事を聞く
現場の社員は改善ポイントをよく知っています。
「時間がかかる」「意味が分からない」「二度手間だ」と感じている仕事を聞くだけでも、多くの改善候補が見つかります。
7.「そもそも必要か」を考える
最も重要なのが、この視点です。
業務改善では「どう効率化するか」を考えがちですが、その前に「この仕事自体をやめられないか」と考える必要があります。
問題の本質は「ムダが見えなくなること」
長く同じ仕事をしていると、その方法を疑わなくなります。
「昔からこうしている」
「前任者から引き継いだ」
「念のため行っている」
こうした仕事が積み重なり、会社全体の生産性を下げていることがあります。
経営者が考えるべきこと
業務改善で大切なのは、社員に「もっと効率よく働いてほしい」と求めることではありません。
経営側が、
「その仕事は本当に必要なのか」
「仕組みで解決できないか」
「AIやシステムに任せられないか」
と考えることです。
生成AIも非常に有効ですが、非効率な仕事をそのままAI化するだけでは本質的な改善にはなりません。
まず仕事を見える化し、減らし、整理し、その後にAIやDXを組み合わせる。この順番が重要です。
まとめ
業務改善のアイデアは、会議室で考え出すものではありません。
日常業務の中にある、
「面倒」
「待つ」
「探す」
「転記する」
「何度も確認する」
という小さな違和感の中にあります。
大きな改革を始める必要はありません。
まず一つ、「この仕事、本当にこのままでいいのだろうか」と問いかけること。
そこから会社の業務改善は始まります。
「日々の経営・社会ニュースについての発信はこちら」として、伊藤 弘典|note

