営業担当者の仕事の中で、意外に大きな時間を占めているのが営業資料の作成です。
顧客について調べ、課題を整理し、提案内容を考え、PowerPointの構成を作り、文章を整える。重要な仕事ではありますが、資料作成に時間を取られ、肝心の顧客との対話が減っている会社も少なくありません。
そこで活用したいのがChatGPTです。
現在のChatGPTでは、文章生成だけでなく、PDFやPowerPointなどのファイルを読み込み、既存情報を参考にしながら作業することもできます。
しかし、私はAI導入支援をする中で、重要なのは「AIに資料を作らせること」ではないと考えています。
営業資料で最も重要なのは「誰に何を伝えるか」
ChatGPTに、
「〇〇サービスの営業資料を作ってください」
と依頼するだけでも、それらしい文章はできます。
しかし、それだけでは強い営業資料にはなりません。
営業資料には、
「誰に」
「どんな課題があり」
「なぜその課題が起き」
「自社がどう解決し」
「導入すると何が変わるのか」
というストーリーが必要だからです。
AIが得意なのは、この材料を整理して表現することです。
反対に、顧客の本当の課題を見つけることは、人間側の重要な仕事になります。
ChatGPTで営業資料を作る7つのステップ
私がおすすめする流れは次の通りです。
① 顧客を明確にする
業種、企業規模、役職、経営課題などをChatGPTに伝えます。
② 顧客課題を整理する
「この企業が抱えている可能性のある課題を整理してください」と依頼し、自分の仮説と比較します。
③ 提案のゴールを決める
面談獲得なのか、契約なのか、次回提案につなげるのか。資料を読んだ後に相手に取ってほしい行動を決めます。
④ 全体構成を作る
例えば、
課題 → 原因 → 解決策 → サービス → 導入効果 → 実績 → 次の行動
という流れを設計します。
⑤ 各ページの文章を作る
「1ページ1メッセージ」「見出し30文字以内」など条件を与えることで、営業資料向けの文章に整えやすくなります。
⑥ 顧客目線でレビューする
「この資料を中小企業経営者の立場から厳しく評価してください」と依頼すると、分かりにくい部分を発見する助けになります。
⑦ 最後は人間が判断する
数字、実績、料金、事例、顧客固有情報については必ず確認します。
AIで変えるべきなのは「資料」ではなく営業プロセス
経営コンサルタントとして重要だと感じるのはここです。
ChatGPT導入を、
「資料作成を30分短くする」
だけで終わらせてはいけません。
過去の提案書、成功事例、商品情報、FAQ、顧客課題などを整理し、営業担当者が必要な情報をすぐ利用できる仕組みにすれば、営業組織そのものを強くできます。
トップ営業だけが良い資料を作れる会社から、営業ノウハウを組織で共有できる会社へ変えていく。
これこそ生成AI活用の大きな価値です。
まとめ
ChatGPTを使えば営業資料作成は効率化できます。
しかし、成果を左右するのはAIではありません。
「誰に、何を伝え、どう動いてもらうのか」
を明確にできるかどうかです。
AIに作業を任せ、人間は顧客理解と提案に時間を使う。
営業資料は「作る仕事」から「考える仕事」へ。
これからの営業では、この役割分担がますます重要になると考えています。
「日々の経営・社会ニュースについての発信はこちら」として、伊藤 弘典|note

