ChatGPTを経営者の「壁打ち相手」として使う7つの方法

AI・DX/経営改善

導入

ChatGPTというと、「文章を書かせる」「メールを作る」「資料を要約する」といった使い方を思い浮かべる人が多いでしょう。

しかし、経営者にとってもっと価値のある使い方があります。

それが、ChatGPTを経営の「壁打ち相手」にすることです。

経営者は毎日、売上、資金繰り、人材、採用、投資、新規事業など多くの判断を求められます。しかし重要な問題ほど、社内では相談しにくいものです。

そんなとき、ChatGPTとの対話が思考を整理するきっかけになります。

背景

生成AIの活用は、単純な文章作成から、アイデア出しや思考整理にも広がっています。

OpenAIもChatGPTについて、選択肢を広げ、考えを整理し、曖昧な方向性を具体的な計画へ変える「思考のパートナー」としての使い方を紹介しています。

例えば新規事業を考えているなら、

「この事業の弱点を5つ挙げて」
「競合企業ならどう対抗する?」
「顧客が買わない理由を考えて」
「銀行担当者なら何を質問する?」

と問いかけます。

これだけでも自分とは違う視点を得られます。

問題の本質

経営者が陥りやすい問題は、「情報不足」だけではありません。

自分の考えを別の角度から検証する機会が少ないことです。

経営者は会社で最終判断をする立場です。そのため周囲から反対意見が出にくくなることがあります。

そこでChatGPTに、

「私の考えに反対してください」
「この計画が失敗するとしたら原因は?」
「社員の立場から不満を挙げてください」

とあえて反論を求めます。

ChatGPTを「正解を教える先生」ではなく、「考えを揺さぶる相手」として使うのです。

中小企業や経営者への影響

特に中小企業では、社長一人に判断が集中しやすい傾向があります。

だからこそ壁打ちは有効です。

私なら次の7つで活用します。

  1. 経営課題を整理する
  2. 新規事業を検討する
  3. 売上低迷の原因を探る
  4. 資金調達の説明を検証する
  5. 社員側の視点を考える
  6. 意思決定のリスクを洗い出す
  7. 次に取る行動を整理する

例えば「売上を増やしたい」ではなく、

「売上が前年比10%減っています。商品・顧客・営業・価格・競合の5つの観点から原因仮説を出してください」

と具体的に問いかけるほど、対話の質は上がります。

経営コンサルタントとしての考察

私は、AIが経営者の代わりに経営判断をするべきだとは考えていません。

むしろ価値があるのは、判断する前の思考量を増やせることです。

経営では、最初から正しい答えを出すことより、「何を考えるべきか」を見つけることの方が重要な場面があります。

ChatGPTとの壁打ちは、その論点を発見する補助になります。

企業が今後取り組むべきこと

重要なのは、AIの回答をそのまま採用しないことです。

数字、法律、税務、融資条件、市場情報など重要な事項は、一次情報や専門家による確認が必要です。

また、機密情報や個人情報を安易に入力せず、社内でAI利用ルールを決めることも必要です。

そのうえで、

「答えを出して」

だけではなく、

「抜けている視点は?」
「反対意見を出して」
「もっと良い問いに変えて」

と使ってみてください。

まとめ

ChatGPTの価値は、答えを早く出すことだけではありません。

経営者が自分自身の考えを深めるための相手になれることにもあります。

AIに判断を任せるのではなく、AIとの対話によって人間の判断を磨く。

これからの経営者に必要なのは、そんなAIとの付き合い方ではないでしょうか。

「日々の経営・社会ニュースについての発信はこちら」として、伊藤 弘典|note