経営会議を毎月開催しているのに、「会社があまり変わらない」と感じている経営者は少なくありません。
その原因の一つが、経営会議が「報告会」になっていることです。
売上はいくらだったのか。
どの案件が進んでいるのか。
各部署で何が起きているのか。
もちろん情報共有は必要です。しかし、それだけでは経営会議を開く意味は十分ではありません。
経営会議の本当の役割は、会社の状況を把握し、課題を見つけ、次の行動を決めることです。
経営会議の役割が重要になっている背景
中小企業を取り巻く環境は大きく変わっています。
人材不足、人件費や仕入価格の上昇、顧客ニーズの変化、デジタル化、生成AIの普及など、経営者が判断しなければならないテーマは増えています。
こうした環境では、社長一人がすべてを把握して判断する経営には限界があります。
経営幹部や管理職が会社の数字と課題を共有し、共通の判断基準を持つ仕組みとして、経営会議の重要性は高まっています。
経営会議で話すべき7つのテーマ
私が中小企業の経営会議で特に重要だと考えるのは、次の7項目です。
1.売上・利益・粗利益
売上だけを見るのではなく、利益や粗利益率まで確認します。
「売上は増えたが利益が減っている」といった変化を早期に発見するためです。
2.資金繰り・キャッシュフロー
利益が出ていても現金が不足することがあります。
現在の預金残高だけではなく、3カ月後、6カ月後まで資金がどのように動くのかを確認することが重要です。
3.顧客・営業
新規顧客数、商談数、成約率、既存顧客の動向などを確認します。
単に「売れた・売れなかった」ではなく、なぜその結果になったのかまで議論します。
4.業務・生産性
残業、手戻り、二重入力、不要な会議、属人的な仕事など、会社の生産性を下げている業務を確認します。
生成AIやDXを導入する場合も、まず改善すべき仕事を見つけることが先です。
5.人材・組織
採用だけではなく、退職、育成、管理職、配置、評価、社員の負荷まで確認します。
会社が成長するためには、「人が足りない」という問題だけではなく、「人が育つ仕組み」を考える必要があります。
6.重要な経営課題
会社として今もっとも解決すべき問題を明確にします。
課題を10個並べるのではなく、「今月、会社として何を優先するのか」を絞り込むことが重要です。
7.次のアクション
そして最後に必ず、
「誰が」
「何を」
「いつまでに行うのか」
を決めます。
ここまで決まって初めて、経営会議が経営に結びつきます。
問題の本質は「数字を見ること」ではなく「数字から決めること」
経営会議で大切なのは、資料をたくさん作ることではありません。
経営コンサルタントとして企業を見ていると、会議が機能している会社ほど資料は意外とシンプルです。
重要な数字を定点観測し、変化があれば原因を考え、次の行動を決めています。
つまり経営会議とは、「過去を説明する時間」ではなく、「未来を決める時間」なのです。
今後、AIによって集計や議事録、資料作成はさらに効率化されるでしょう。
だからこそ、人間が会議で使うべき時間は「情報を読むこと」から「考え、判断すること」へ移っていくはずです。
まとめ
経営会議で確認したいテーマは、
売上・利益、資金繰り、顧客・営業、業務、人材、重要課題、次のアクションの7つです。
そして最も重要なのは、会議後に会社の行動が変わることです。
「今月も会議を開催した」で終わるのではなく、
何を決めたのか。
誰が動くのか。
次回までに何を変えるのか。
ここまで明確にする。
経営会議を変えることは、会社の意思決定の仕組みそのものを変えることなのです。
「日々の経営・社会ニュースについての発信はこちら」として、伊藤 弘典|note

