生成AIは、導入する前に「仕事」を見直す

AI・DX/業務改善

生成AI導入を考える中小企業が増えている

「生成AIを会社でも使いたい。でも、何から始めればいいのか分からない」

最近、このような悩みを持つ中小企業経営者は増えています。

生成AIは、文章作成、情報整理、議事録、営業資料、マーケティング、顧客対応など、さまざまな業務に活用できます。

しかし、ここで注意したいことがあります。

生成AI導入の目的は「AIを使うこと」ではありません。

会社の仕事をより良くすることです。

AI導入が広がっている背景

企業が生成AIに注目する背景には、人手不足や生産性向上への対応があります。

特に中小企業では、一人の社員が複数の仕事を抱えているケースが珍しくありません。

報告書を作る。
会議の議事録をまとめる。
メールを書く。
Excelに入力する。
営業資料を作る。
社内で情報を探す。

一つひとつは小さな作業でも、積み重なると大きな時間になります。

生成AIは、こうした業務を見直す有力な手段になり得ます。

問題は「AI選び」ではなく「仕事選び」

生成AI導入で最初に検討すべきなのは、「どのAIが一番優秀か」ではありません。

どの仕事に時間がかかっているのかを把握することです。

例えば、毎日30分かかる仕事を10分にできれば、1人あたり1日20分の時間が生まれます。

10人なら1日200分です。

こうした小さな改善を積み重ねる方が、いきなり全社的なAIシステムを導入するより成果につながりやすいと考えます。

中小企業こそ「小さく始める」

私が中小企業のAI導入で重要だと考えているのは、最初から大規模な仕組みを作らないことです。

まず、

①時間がかかっている
②繰り返し発生する
③文章・情報整理が多い
④一定のルールがある
⑤失敗しても事業への影響が小さい

という業務を探します。

例えば、会議録の要約、メール文案、営業報告、社内マニュアル作成、企画案の整理などです。

一つの業務で成果を確認してから、次の業務へ広げていきます。

AI導入は経営改善である

経営コンサルタントとして私が重要だと考えているのは、生成AIをIT導入だけの問題として扱わないことです。

AI導入とは、本来「仕事の再設計」です。

今まで人が行っていた仕事を、

「人がやるべき仕事」
「AIに任せられる仕事」
「AIを使って人が判断する仕事」

に分け直す。

ここまで行って初めて、生成AIが業務改善につながります。

経営者が取り組むべき5つのステップ

生成AI導入は次の順番がおすすめです。

  1. 社内業務を洗い出す
  2. 時間のかかる定型業務を選ぶ
  3. 1つの業務でAIを試す
  4. 効果を時間・品質・コストで測る
  5. 利用ルールを作って横展開する

特に、顧客情報、個人情報、機密情報をどこまで入力できるかなど、情報管理のルールは明確にしておく必要があります。

まとめ

生成AI導入で最初に考えるべきなのは、「どのAIを契約するか」ではありません。

「会社のどの仕事を変えたいのか」です。

AIは目的ではなく手段です。

生成AIを導入する前に、まず仕事を見る。

そして、小さな業務から試し、成果を測り、成功した方法を広げる。

この順番こそ、中小企業が無理なく生成AIを経営に取り入れていく現実的な方法だと考えています。

「日々の経営・社会ニュースについての発信はこちら」として、伊藤 弘典|note