資金繰り表の作り方|経営者が押さえるべき7つのポイント

資金繰り・財務改善

会社経営で「売上も利益も出ているから大丈夫」と考えるのは危険です。

利益と現金は同じではありません。売上を計上しても入金が2カ月後なら、その間にも仕入代金、給与、家賃、税金、借入金の返済などが発生します。

だからこそ経営者に必要なのが「資金繰り表」です。

資金繰り表とは何か

資金繰り表とは、一定期間の現金の「入る予定」と「出る予定」を整理し、将来の現金残高を予測する表です。

基本的な計算はシンプルです。

月初現金残高+入金-支出=月末現金残高

重要なのは、会計上の売上や利益ではなく「実際にいつ現金が動くか」で記入することです。

日本政策金融公庫でも資金繰り計画用に簡易版・詳細版の資金繰り表が公開されています。

なぜ今、資金繰り管理が重要なのか

近年、中小企業は原材料費、人件費、エネルギー価格、金利など複数のコスト上昇に直面しています。2025年版中小企業白書でも、物価高や金利、人手不足など厳しい経営環境が指摘されています。

売上が増えていても、売掛金や在庫が増えれば現金は不足する可能性があります。

成長している会社ほど運転資金が必要になることもあるのです。

資金繰り表の作り方

まず現在の預金残高を確認します。

次に、今後の入金予定を月ごとに入力します。売掛金の回収、現金売上、補助金、借入などです。

その後、仕入、人件費、家賃、外注費、税金、設備投資、借入返済など、実際に現金が出ていく時期を入力します。

ポイントは、最低でも3~6カ月先まで作ることです。

資金繰りが厳しい場合は、月単位ではなく週単位で管理します。

経営者が見るべき7つのポイント

①月末の現預金残高
②売掛金の回収時期
③仕入・外注費の支払時期
④給与・社会保険料
⑤税金の支払月
⑥借入金の元本返済
⑦設備投資など大きな支出

特に注意したいのが借入金の元本返済です。損益計算書上の費用にはなりませんが、現金は確実に減ります。

逆に減価償却費は費用として計上されても、その月に現金が出ていくわけではありません。

この「利益と現金のズレ」を理解することが資金繰り管理の基本です。

経営コンサルタントとして考える資金繰り表

資金繰り表の目的は、きれいなExcelを作ることではありません。

「3カ月後に資金が不足する」と分かれば、今から対策できます。

売掛金の回収を早める、在庫を減らす、不要な支出を止める、支払条件を見直す、金融機関へ相談する。

資金不足が起きてから動くのではなく、起きる前に経営判断をするための道具なのです。

これから企業が取り組むべきこと

最初から複雑な表を作る必要はありません。

まず6カ月分の「入金」「支出」「月末残高」を一覧にしてください。

そして毎月、実績との差を確認して更新する。

クラウド会計やAIを活用すれば、集計や将来シミュレーションも効率化できます。

大切なのは自動化そのものではなく、経営者が未来のお金を把握できる仕組みをつくることです。

まとめ

決算書は会社の過去を教えてくれます。

資金繰り表は会社の未来を教えてくれます。

売上や利益を見るだけの経営から、「6カ月後にいくら現金が残っているか」を見る経営へ。

資金繰り表は、会社を守るためだけではなく、採用・設備投資・新規事業など、次の一手を安心して打つための経営ツールなのです。

「日々の経営・社会ニュースについての発信はこちら」として、伊藤 弘典|note