導入
「売上が伸びてきたのに、社長の仕事ばかり増えていく」
中小企業では珍しくない問題です。
営業、採用、資金繰り、業務改善、社員教育、取引先対応。重要な判断がすべて社長に集まり、「自分がいなければ会社が動かない」という状態になっている企業もあります。
そこで一つの選択肢になるのが社外COOです。
ここでいう社外COOとは、外部からCOO(最高執行責任者)的な役割を担い、社長の経営判断を実際の組織運営へ落とし込む人材です。
背景
中小企業では人材不足が続いています。2025年版中小企業白書でも、人材確保や定着、人材戦略が重要な経営課題として取り上げられています。
同時に広がっているのが、外部専門人材の活用です。
経済産業省の地域機関でも、新事業、DX、販路開拓などについて、正社員採用だけでは確保しにくい専門人材を副業・兼業や業務委託などで活用する取り組みが紹介されています。
内閣府のプロフェッショナル人材戦略事業でも、常勤だけでなく副業・兼業人材とのマッチングが支援されています。
問題の本質
中小企業に不足しているのは、単純な「人数」とは限りません。
私が重要だと考えているのは、経営と現場の間をつなぐ人材です。
例えば社長が、
「利益率を改善したい」
「営業を強化したい」
「AIを導入したい」
と考えていても、それだけでは現場は動きません。
必要なのは、
経営方針
↓
具体的な施策
↓
担当者
↓
期限
↓
KPI
↓
進捗確認
↓
改善
まで落とし込むことです。
これが社外COOの重要な役割です。
中小企業や経営者への影響
社外COOを活用するメリットは大きく7つあります。
- 社長が本来の経営判断に集中できる
- 経営戦略を実行計画へ変えられる
- 部門間の調整役をつくれる
- KPIと進捗管理を仕組み化できる
- 社内にない経験や専門性を取り込める
- 社長に対して第三者の立場から意見を言える
- 将来の管理職やNo.2を育成できる
特に重要なのが6番目です。
右腕は、社長の意見にすべて賛成する人ではありません。
必要であれば「その判断は再検討した方がいい」と言える存在であることも重要です。
経営コンサルタントとしての考察
私は、社外COOと一般的な経営コンサルティングの違いは、どこまで実行に入るかだと考えています。
経営課題を分析して改善策を提案するだけでは、会社が変わらないことがあります。
重要なのは、その後です。
「誰がやるのか」
「いつまでにやるのか」
「どの数字を見るのか」
「進んでいなければ何を変えるのか」
ここまで経営者と一緒に動かす。
社外COOに求められるのは、アドバイス以上に実行を前に進める力です。
企業が今後取り組むべきこと
ただし、最初から社外COOを採用する必要はありません。
まず、
「社長に集中している仕事は何か」
を書き出してみてください。
そして、
「社長にしかできない仕事」
「管理職へ任せる仕事」
「仕組み化する仕事」
「外部人材を使える仕事」
に分類します。
その結果、経営と現場をつなぐ役割が不足しているのであれば、社外COOを検討する価値があります。
まとめ
会社が小さい間は、社長一人の力でも経営できます。
しかし組織が成長すると、社長一人ですべてを判断し、すべてを実行することは難しくなります。
だからこそ必要なのが「右腕」です。
そして、その右腕を社内だけで探す必要はありません。
社外COOを活用する本当の目的は、外部の人に会社を任せることではなく、社長の考えを組織の行動へ変え、最終的には社長がいなくても動く会社をつくることなのです。
「日々の経営・社会ニュースについての発信はこちら」として、伊藤 弘典|note

